
事務職員雇上費・主任専任加算の仕組みと使い方を整理する
公定価格の内訳を眺めていると、「事務職員雇上費」「主任保育士専任加算」といった項目が並んでいて、「これ、うちの園は取れているんだっけ?」と手が止まることがありますよね。日々の事務を回すだけで精一杯なのに、加算の仕組みまで頭に入れておくのは大変です。しかもこの2つは、事務を担う自分自身や主任の働き方に直接関わるお金でもあります。
結論:まずは「事務職員雇上費=事務職員を置くための費用」「主任保育士専任加算=主任がクラス担任を外れて専任になるための費用」と、目的で分けて捉えるのが近道です。どちらも公定価格に上乗せされる加算で、多くの場合ほかの要件(研修や地域の子育て支援など)と結びついています。
・事務職員雇上費:事務職員を雇うための費用が公定価格に含まれているか、まず内訳を確認。
・主任保育士専任加算:主任が担任を持たず専任になり、地域の子育て支援などに関わることが要件になりやすい。
・要件・単価・名称は自治体や年度で差が出るため、必ず最新の公定価格・通知で確認。
一度に全部を覚えなくて大丈夫です。まずは「どちらも公定価格の中に入っているお金」という土台をつかみ、そのうえで自園に関係する部分から順番に見ていきましょう。
まず2つの加算の役割を分けて捉えます

- 事務職員雇上費(事務を支える):園に事務職員を配置するための費用として、公定価格に組み込まれている部分。園の規模や区分によって、含まれ方が変わります。日々の請求事務や労務を担う人を支えるためのお金、というイメージです。
- 主任保育士専任加算(主任を専任にする):主任保育士がクラス担任を外れ、園全体の運営や地域の子育て支援などに専任で関われるようにするための加算。専任化とあわせて、延長保育・一時預かり・地域活動などの実施が要件になっていることが多いです。
2つは「誰の・どんな働き方を支えるお金か」がまったく違います。混ぜて考えると迷いやすいので、まずは別々の引き出しに入れるイメージを持っておくと安心です。
手順を小さく分けます
- いまの公定価格の内訳を取り出す
直近の給付費(委託費)の算定資料や交付決定通知を用意し、「事務職員雇上費」や「主任専任加算」に当たる項目があるかを書き出します。名称は自治体の様式によって少し違うことがあるので、似た項目も拾っておきます。
- 自園が要件に当てはまるかを確認する
主任専任加算は、主任が担任を外れていること、延長保育など指定された事業を実施していること、といった要件が絡みやすい部分です。自治体の最新の公定価格・通知で、要件の一覧を取り直して照らし合わせます。
- 根拠になる記録をひとまとめにする
主任の担当(担任を持っていない体制がわかる職員配置表・辞令)、実施している事業の記録などを、加算ごとに同じ束にしておきます。監査や確認のときに探し物が減ります。
- 反映漏れ・取り違えがないかを見直す
「取れるはずの加算が算定されていない」「別の加算と取り違えている」がないか、園長や委託の社労士・会計事務所とも一度突き合わせておくと安心です。
重要:要件を満たしているか不確かなときは、自己判断で「取れる/取れない」を決めず、必ず自治体の担当窓口に確認します。加算は年度の制度改正で要件や単価が変わることがあります。
自治体差・年度差が出やすい確認ポイント
- 事務職員雇上費が、どの区分・規模の園まで対象になっているか
- 主任専任加算の対象事業(延長保育・一時預かり・地域子育て支援など)の指定範囲
- 主任が一部でも担任・保育に入る場合の取扱い(専任要件を満たすか)
- 年度途中で主任が交代したときの扱い
- 加算名称・単価の改定(毎年の公定価格改定を確認)
詳細は各自治体の最新の公定価格・要綱・通知でご確認ください。
時間がないときの最短フロー(今日やる3点)
- 直近の算定資料で「事務職員雇上費」「主任専任加算」の有無を確認する
- 自治体の最新の公定価格・通知一式を入手する
- 不明点をメモにして、園長または自治体窓口への確認事項リストにする
確認チェックリスト
最低ライン(まずこれだけは今日やる)
- 直近の算定資料で2つの加算の有無を確認した
- 自治体の最新の公定価格・通知を入手した
- 不明点を確認事項リストにまとめた
優先順位(上から順に進める)
- ① 事務職員雇上費が自園の区分で対象か確認
- ② 主任専任加算の要件(主任の専任化・対象事業)を確認
- ③ 主任が担任を外れている体制を職員配置表・辞令で確認
- ④ 対象事業(延長保育など)の実施記録を束ねる
- ⑤ 算定漏れ・取り違えを園長/社労士・会計事務所と突き合わせ
代替案(間に合わない時の最短対応)
- 内訳の確認が終わらなくても、加算名と「有/無/不明」の3列だけ先に一覧化する
- 要件が判断しづらい項目は「自治体に要確認」と印をつけ、後日まとめて問い合わせる
免除条件(該当しない場合はスキップ)
- 主任専任加算を算定していない園は、そのチェックはスキップ
- 委託の社労士・会計事務所がすでに管理している場合は、突き合わせのみでよい
加算の単価や要件、名称の細かい点は、年度や自治体・制度改正によって変わります。ここで整理しているのは「迷わないための役割分けと確認の段取り」です。具体的な金額や対象可否は断定せず、必ず自治体や公式の最新案内でご確認ください。
書類の整理や台帳のひも付けは、ICTの仕組みを少し取り入れると加算の確認や実績づくりが楽になることもあります。気になる方は 書類づくりを少し楽にするICT化 や、補助金・給付・委託費の基本、処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違いを整理する手順 もあわせてどうぞ。

事務職員雇上費も主任専任加算も、名前だけ見ると身構えてしまう仕組みです。でも「事務を支えるお金」「主任を専任にするお金」と役割で分けられた時点で、もう整理は始まっています。園の運営を陰で支えるこの確認作業は、あなた自身や主任の働き方を守ることにもつながっています。焦らず、一つずつで大丈夫です。